彼女がどこからやってきて
どこへ行こうとしているのか―
それは誰にも、わからないのです。
でも、もし彼女に出会えたら
あなたはきっと、心のなかが変わったことに気づくでしょう。
彼女は空の虹のようです。
彼女が姿をあらわせば
あたりは光に満たされるでしょう。
そして、彼女のささやく声が
ほら、聞こえてくるでしょう―
「虹(わたし)を追いかけてはだめ―」
*小高い丘のその上に、
途切れることなく広がる緑の野原。
吹きわたるそよ風のなか、
彼女がやさしく微笑むと
天使の歌声がひびいてくるでしょう。
彼女がしずかに揺れ動き、軽やかに踊る姿は、
まるで妖精のようです。
ほら、いま彼女が歩いて行きますよ。
彼女のあとを、どこまでも
ついてゆけたら、と思ってしまいます。
あなたは人生に
何かの意味を見つけたくて
彼女に会いに行こうとするのでしょう。
でも、あまり彼女を探そうとしてはいけませんよ。
そう、彼女はきっと姿を隠してしまうのだから。
* (refrain)
彼女が遠くへ去ってしまい、
誰もが落ち込み、悲しみに沈んでいます。
だから、いまこそ祈りをささげましょう。
“はやく帰ってきてください”と。
そうすればほら、彼女の声が
空から聞こえてくるでしょう。
彼女がどこからやってきて
どこへ行こうとしているのか―
それは誰にも、わからないのです。
でも、もし彼女に出会えたら
あなたはいつまでも
純粋な心でいられるでしょう。
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あとがき
お気づきのとおり、かなりの意訳で構成されています。
まず、「And〜」ではじまるフレーズを、先生は聖書の
”聖母マリア”に関連付けて訳されていました。
これはビートルズの「レット・イット・ビー」にもみられるらしく、「誰かのことを想うと胸がいっぱいになる」
というようなニュアンスが含まれていて、翻訳するのは非常に難しいらしいです。
あとの部分は、詩全体を通してなるべく意味のとおるように意訳を試みてみました。